新・徳島の山
− はじめに −
徳島の1,000mを超える山を登り始めて,早くも20年が過ぎようとしている.県内には1,000m峰が83座(※)あるとされる.これまで登頂を果たしたのは59座で,まだ24座も残っている.2003年の吉野丸を最後にプッツリと途絶え,現在に至る.ところがつい最近,この残りの24座を登る気になった.
「何故今頃になって再開するのか?その訳は?」
と訊かれると,次に掲げるようなせっぱ詰まった理由がある.
(※)【「阿波の1,000m峰」早田健治 氏 著(昭和62年発刊)】より
このところ仕事はヒマになり,事務所内でごろごろと座っていることが多くなった.運動不足の感は拒めない.悪いことに食べたり酒を飲んだりするのは従来と同等か,あるいは増えている.確実に!体はかなり鈍ってきていると自分でも感じる.このような状況下では,腹がポッコリ出てきても何ら不思議はない.これはメタボ寸前か,あるいは既にメタボになっているかも知れぬ.体重も以前と比べると5kgは増えた.
「エライこっちゃ!なんとかせにゃあ,アカン!体脂肪を燃やせ!」
そこで真剣に考え,決断を下した.
「そうだ,よっし!決めた!山に登ろう」
まだ登っていない山が,前述したように24座ある.これを片っ端から征服していこう.ところが切実な問題も立ちはだかる.今まで登った山は,比較的交通のアクセスが良く且つ登山道も整備されている,いわばメジャーな山であった.早い話が登り易い山はもう登ってしまった,ということ.一方,残りの24座はどちらかと言えばマイナー的な存在で,辺鄙な場所にある.悪いことに,ここにきてガソリン価格は高騰する一方.さらに県西部方面となると,高速道路を利用することになる.山に登るのはタダであるが,交通費がバカにならん.体力的にも金銭的にも容易なことではない.強い決意で臨まなければ,途中でまた挫折することになろう.
単独行も良いが,たまには連れだって登るのもまたいいもの.その方がより継続し易いはずだし,安全面でも優れる.また交通費を折半出来るのも強みだ.早速,悪友(K君)に連絡を入れると二つ返事でOK.K君は第一号の矢筈山以降“徳島の山”登頂によく同行していた,言わば“山仲間”でもあり“釣仲間”でもある.
さて,もし体力に自信が付き金銭的にも余裕が出来た場合は,県外の山へ遠征するのも悪くない.日本アルプス方面は,1997年の立山を最後に随分とご無沙汰.その間の県外遠征と言えば,2005年の富士山登頂があるのみ.愛媛や高知の未登頂の山にも登ってみたい・・・と言った具合に夢は膨らむ一方.まず,そのためには足腰を鍛え直さなければならない.うだうだ言ってないで何はともあれ,まずは行動を起こすことが肝心.
新シリーズ“新・徳島の山”第一弾は,超マイナーと思われる「貧田丸」に決定!