徒然つれづれひとりごと



《#8.迷惑メール,吾輩の場合》
(総文字数 約3,100文字)
 4〜5年ぐらい前からいわゆる"スパム(spam)"(以下,迷惑メール)が,我がパソコンにポツポツ入って来るようになった.そこで2年前の夏,2つあったメールアドレスのうち私用に使っていたアドレスを思い切って変えてみた.変更後,確かに迷惑メールは激減.やはりアドレス変更は最も効果があるようだ.その後,変更した私用アドレスにはほとんど入って来なくなった.これにて一件落着!『いや待て!まだまだ安心出来ない.時が経てばまた増えるはず』とばかり,さらなる安全対策を取った.ISDNから光に替えた時,メールアドレスをさらに二つ増やした.いつでもアドレスを切替出来るようにと下準備した訳である.
 
 ところがしばらく経つと,今度は仕事用として使用しているメインのメールアドレスに,迷惑メールがわんさと入って来るようになった.今では通常のeメール(以下,正式メール)を大幅に上回るくらい数が増えてきた.以前と同様に主に出会い系サイト,アダルトサイト(これらはワンクリック及び架空請求詐欺に要注意!)それにマルチ商法等が多い.そしてたいていメール文の最後に「このメールが不要な方は連絡して下さい」と云う,今後の配信を希望しない旨の文言が書かれている.うかつにこれをクリックしてはいけない!クリックして相手側に伝えれば,メールアドレスが有効で且つきっちり閲覧していることを知らせることになる.かえって逆の結果を招き,さらに輪をかけて迷惑メールが増えることになる.
 
 悪質サイト,特に出会い系逆援サイトではたいてい"当サイトはスポンサー様の広告収入によって運営されております""リッチな女性の方の会費で賄っています"よって"男性はすべて完全永久無料"などと謳われている."先払い銀行振込で○十万円を即入金します"という甘いワナを仕掛けてくるのもある.そんなおいしい話がこの世にあるはずなかろう!仮にもしあるとしたら,決して他人に教えたりしないはずだ.
 
 最近ではそれら日本版を抜いて海外版の英文メールがやたらと目立つようになった.その数,正式メールの10倍超,と言っても決して大袈裟ではない.きちんとカウントした訳ではないが,このところ1週間でおよそ200通は超えるものと思われる.内容を簡単に分類すると次のようになる.
@メディシン(バイアグラ,シアリスその他ダイエット医薬品)
Aレプリカ・ウォッチ(ロレックス,カルティエ,オメガ等のニセ高級腕時計とかジュエル)
Bパソコンソフト(Windows Vista,Officeその他ソフト多数)
Cローン(即決,ドルの低金利融資)
Dカジノ(オンラインカジノ)
Eカード(スクールメイト,パートナー,ネイバーからのEカード,あるいは美しいガールたちがあなたを待っている)
Fウイルスメール(たいてい本文無し,添付ファイルのみ)
Gその他(内容がよく分からない,文字化けしているのもある)
販売目的(@〜B)のものはディスカウントを前面に打ち出している.なお,上記迷惑メールは昼間は少なく,そのほとんどが夜間に送られて来る.それにしても毎日飽きもせず,一体どこの国の誰から送り付けてくるのだろうか?
 
 朝一番,吾輩の仕事はまずメールチェックから始まる.迷惑メールをきれいさっぱり,パソコンから削除するのだ.なおここでいう「削除」とは,削除済みアイテムフォルダへ移すのではなく,完全に消してしまうという意味である.(※このことについては後で述べる)この作業が日々の日課であり,今では重要な仕事のひとつになっている.正式メールにも目を通すので,本来の仕事に掛かるまで一時間を要することもざらにある.前述のようにメールアドレスを変更さえすれば一発で解決するのだろうが,いかんせんメインアドレスである上,仕事にも使用している.さらに官庁の電子入札用に登録もしているので,今となってはそう簡単に事は運ばない.
 
 どうやらよく使われるアドレスが,ターゲットになるものと思われる.どこかのサイトで我がアドレスも収集されたのか?あるいは"メールアドレス検索ロボット"(ウェブページ自動巡回プログラム略して収集ロボット)なるもので収集されたのか?そう言えば迷惑メールが目に見えて増えだしたのは,ホームページを開設した時期と概ね重なる.とすればホームページ内に記載しているメールアドレスを抽出したと思える.かって通信販売目的に個人の住所・氏名が売買されていると聞いたが,同様にメールアドレスのリストも売買されているようだ.だんだんとその受信数が増えてくることから推測すると,何度も転売されているに違いない.個人情報など,どこからでも取れるということだ.
 
 以上のことから迷惑メール撃退対策を要約すると次のようになる.
@ウェブページ(ホームページ)上に自分のメールアドレスを載せない.
 →どこかのホームページ上に名簿として記述されていないか要チェック.
A一旦流出したと思われるアドレスは捨て,新しいアドレスに変更.
 →アドレスの変更自体は簡単であるが,変更した旨を関係者全員に通知しなければならない.これがなかなか面倒くさくて,つい二の足を踏む.
Bプロバイダ(ISP)側の提供するブロックサービスを利用.
 →通常,サービスを受けるには別途料金が必要となるので,負担がかさむ.
Cアドレスを収集されそうな怪しげなサイトには近づかない.
 →懸賞・占いサイト,アダルト系などの無償ダウンロードサイトは避ける.
D複数アドレスの使い分け.
 →あらかじめ複数のアドレスを取得しておく.通常はメインアドレスを使用せず,変更が容易なサブアドレスを使用する.問題発生時は変更するか別のサブアドレスに替えればOK.但し,Aで挙げた手続きを要する.
 
 最近のメールソフトあるいはウィルス対策ソフトは,迷惑メール自動振り分け機能が付いている.この"迷惑メール対策ツール"である程度予防出来るようになった.ほとんどの迷惑メールは「迷惑メールフォルダ」に自動的にはいるが,アミをすり抜けてくるのもある.送信者はまことに多種多様,手を替え品を替え送信しているのだろう.まことにやっかいなことである.そこで「迷惑メール判定の設定」のうち「対象言語の設定」で「中央ヨーロッパ言語」にチェックを入れる.海外版については,ほぼこれで99%ガード可能.
 
 ここで注意すべき重要なことがある.「迷惑メールフォルダ」は安全対策が強化されているという点だ.このフォルダ内で怪しいメールを閲覧しても,ウィリスに感染したりプログラムが動作することはない.一方「削除済みアイテム」フォルダ内だと上記の安全対策機能は無いので危ない.よって「迷惑メールフォルダ」にそのまま放置しておてもよいが,ベストな方法はパソコンから完全に削除することだ.「すべて選択」で迷惑メール全ファイルを選択し,「削除」のキー操作をする.こうすると"一括完全削除"することが出来る.上記は「迷惑メールフォルダ」が「削除済みアイテム」の下にぶら下がっている場合に有効である.もし「迷惑メールフォルダ」が「削除済みアイテム」フォルダと同列(ローカルフォルダの下)にある場合は,前述の削除作業をしても「削除済みアイテム」フォルダに一旦入ってしまう.そこで次の作業が必要となる.「すべて選択」で迷惑メール全ファイルを選択するまでは同じだが,削除の時「シフト(Shift)+削除(Delete)」のキー操作をする.こうすれば一気に完全削除出来る.
 
 迷惑メールを「禁止するアドレス」に設定して,受付しないのも最も効果があると思われる.しかし,その都度いちいちに設定するのも手間なことである.取り締まる法律はあるようだが,全く機能していないのが現状だ.難しいのは分かるが,もう少し本腰を据えて迷惑メール対策に取り組んで欲しいものだ.それにしてもよくぞ次から次へと悪だくみの知恵を働かすものだ.世間には血に飢えたハゲタカどもがスキあらばトラップ(罠)を仕掛け,金を巻き上げようと虎視たんたんと狙っている.このような不逞のやからが居る限り,吾輩の朝の日課は当分終わることなく続きそうだ.


(2007年9月記す)


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