新・徳島の山
VOL.12

【 No.1. 剣ノ山 標高 1,105.6m 】
【 No.2. 天狗岳 標高 1,070.0m 】(未踏)
2015年6月2日(火曜日) 天候:晴
剣ノ山所在地:徳島県三好市山城町〜愛媛県四国中央市新宮町
天狗岳所在地:徳島県三好市山城町
走行距離(自宅→登山口):114km(剣ノ山登山口)
(総文字数 約3,500文字)
 
【 No.1. 剣ノ山 】

 国道32号線を小歩危手前で分かれ,県道271号線(栗山殿野線)を奥小歩危温泉のある栗山へ向かう.前方に温泉が見えたら,アキン谷に架かる橋の手前を右に曲がる.以降,ずっとアキン谷に沿って突き詰めの三叉路(標高約780m)まで走り,道路際に駐車(6:20).この辺りが剣ノ山への登山口の“はず"である.

 <三叉路に駐車>

 
 登山準備を済まし,ガイドブックに地図それにGPSを総動員して登山口を探る.剣ノ山はここからほぼ真南に位置する.よって三叉路をまず左(南方向)に向かい,広い土捨て場に出る.雑草が生えていないので,比較的最近,造成されたと思われる.さて,山際を探すが登山道らしきものは見当たらない.再び三叉路まで戻り,今度は右(北方向)の道へ向かう.三叉路より20mくらい歩いた場所に作業道があるが,登山口を示すマーキング(赤テープ)は無い.もう少し先まで探索するが,剣ノ山のある方角とは反対方向へ行くばかり.そこで先程の作業道まで戻り,地図を再確認.取り敢えず,この作業道を辿り愛媛県境との尾根まで登る.そして尾根伝いに南へ歩けば,自ずと剣ノ山頂上に行き着ける.『ようし!この案に賛成!』

 <林道脇にある作業道,登山口か?>

 
 
 このように登山口を探すのに若干の時間を要した.よって出発は6:45となった.杉林の中に付けられた作業道を歩くが,分岐が至る所にある.そこで登り坂で且つ剣ノ山方面,つまり南へ向かっている道を選ぶことを“基本方針”とする.この様にして上へ上へと登って行くと,遂に尾根に近づいて来た.すると尾根とほぼ並行した作業道に突き当たったので,この道を左(南方向)へ.途中,分岐があるが“基本方針”通りに忠実に辿る.すると間もなく県境尾根の鞍部(標高約930m)に到着(7:25).この鞍部で作業道は行き止まり.ここにはちゃんと登山道であることを示す赤テープがある.『よかった!合っていた!』とホッとして胸をなで下ろす.
【登山口より40分】

 <登り始めの作業道>


 <尾根と並行する作業道>


 <右の道を登る>


 <鞍部(作業道の終点)>

 
 この尾根から広葉樹林帯に変わる.尾根に沿って登っていると,県境を示す境界杭が目に付く.踏み跡は微かであるが,低木の樹林が疎らなので歩きにくいことはない.歩きながら,ふっと思い出した.この尾根をずっと南へ辿ると三傍示山(さんぽうじやま)がある.以前この山に登った時,北方向に向かって整備された登山道(写真参照)が延びていた.地図を見ると尾根伝いに剣ノ山で行ける.距離はそんなに離れてなさそう.そこでついでに剣ノ山も登ってやろうと軽く思い,その登山道を歩き出した.間もなく道ははっきりとは分からなくなり,しかも急な下り勾配となった.やがてブッシュの中へ突入.『このブッシュさえ過ぎれば,道は必ず良くなる』と確信しながら前進するが,ひどくなる一方.あまりの猛烈なブッシュに遂に諦めたが,時すでに遅し!引き返すのに大変な苦行を強いられた.あれは2003年5月のことであった.そんなことを思い出し又懐かしみながら登っていたら,剣ノ山頂上(標高1,105.6m)に着いてしまった(8:05).
【登山口より1時間20分,鞍部より40分】

 <広葉樹林帯を登る>


 <境界杭>


 <三傍示山から延びる登山道>

 
 頂上と言っても単に縦走路の一角であり,標識がなければ見落としそう.周囲は杉林と灌木に囲まれ,展望は無い.それにしても何で「剣ノ山」と云う名が付いたのか不思議だ.まぁ,それを言うなら「剣山」も同じ事になるが・・・山頂には頂上を示す標識の他に三角点と国土地理院の標識,それに境界杭がある.さておき記念撮影に取り掛かろう.今回,初めて自撮り棒を持参した.今まで使用していたミニ三脚は,画角を設定するのが面倒であった.早速,自撮り棒で記念撮影開始.広角側(28mm相当)に設定しているが,やや大きく写り過ぎる.やはり広角24mm相当のカメラが欲しいところ.撮影を済まし,10分後に出発(8:15).今日はもう一つの山を予定しているので,早めに出発する.帰路は登って来た道を戻る.20分で鞍部到着.登山口には9:05到着.
【山頂より50分,鞍部より30分】

 <剣ノ山頂上>


 <三傍示山へ至る登山道>


 <登山口到着,三叉路の向こうに土捨て場>

 

 
【 No.2. 天狗岳 】(未踏)

 天狗岳への明確な登路は無い.塩塚峰に近い愛媛県境の尾根から登るルートが,分かりやすいだろうと判断した.と言う訳で山城町尾又経由で塩塚峰方面へ車を走らせる.途中の塩塚峰と新宮町の分岐を,新宮町方面へ走ると県境に着く.ここから登ってもいいが,適当な駐車場所が無い.県境尾根と並行して徳島県側にコンクリート舗装の林道が出来ている.この林道を100mほど入り込むと,道が拡がっている箇所がある.そこを通り過ぎると,もう一箇所,駐車可能な場所がある.こっちに駐車することにした(10:00).
【剣ノ山登山口からの走行距離:約14km】

 <駐車場所>

 
 本日2回目の登山なので,靴さえ履けば準備OK.登山開始は10:05.林道を少し戻り,尾根に取り付く.しばらく左手に林道を見下ろしながら歩く.5分ぐらいで工事現場の上を通り過ぎる.どうやら林道延伸工事の現場のようだ.この後も歩きやすい登山道が続くが,だんだんと登り坂となる.登るに連れ,踏み跡は薄くなり灌木が生い茂る.尾根も段々と広くなり,進む方向がはっきりしない.この様な広い尾根は,特に下山時に要注意だ.進路を少しでも違えば,あらぬ方向へ向かう.本来のルートとは違う尾根に入り込んだら,大変なことになる.山で迷うのは,大抵このパターンであろうと推察する.さて30分ほど歩いた頃,遂に道は途切れ,さらにブッシュが行く手を阻む.やぶ漕ぎをこなすと,広い尾根に再び出る.杉林と灌木帯の境界付近の歩きやすい所を適当に登ると,天狗岳へと続く稜線(尾根)に出た.後はこの稜線を忠実に辿れば山頂に至る,と安易に考えていた.11:10に最も高い地点(標高約1,100m)に到着.
【登山口より1時間5分】

 <ここから尾根へ>


 <最初は順調な尾根歩き>


 <ここからやぶ漕ぎ>

 
 しかし,ここが天狗岳の頂上ではない.まず山頂を示す標識が無いし,石鎚神社のほこらも無い.ところがGPSは,この地点をドンピシャリ「天狗岳」頂上と示している.『こりゃ 一体どういうことだ!訳が分からん!』まず息を整え,落ち着いて周囲を観察.すると2方向に踏み跡らしきものがある.ひとつは南方向,もう一つは辿って来た稜線と反対の東方向へと続いている.どちらも下り勾配である.さて,どちらへ行くべきか?よく見ると南方向への踏み跡が,ややはっきりしている.よって南へ足を踏み入れる.ところが進むに連れ,どんどん下っていく.木々に隠れて分からなかったが,下ってみればその先もずっと下り坂の模様だ.『これはちょっと妙.引き返そう』登り返しは本当に苦しい.しかも通常の倍以上疲れる感じがする.元の地点に戻った時は,グッタリと疲れが出た.よって東方向への探査はあっさり中止.

 <最高地点>

 
 11:30に下山開始.途中,稜線で違う尾根に入り込んでしまった.気付くのが早かったので,元の道には比較的容易に復帰.間違った原因は,勢いでそのまま真っ直ぐ進んだため.ここは左に曲がらなければならない場所だった.赤テープが二段に巻かれていたが,気付かなかった.以降,GPSを片手に持ち,登りの軌跡と絶えず照合しながら下る.この様に訪れる登山者が格段に少ない山は,GPSが必携と痛感する.GPSに導かれながら,例のやぶ漕ぎ区間まで降りて来た.この区間が難所であり問題でもある.何故ならやぶ漕ぎする時は,両手が空いている必要がある.よってGPSを仕舞い込む.すると案の定,右又は左にぶれている.何故分かるかというと.杉林が目印になるからだ.杉林と灌木帯の境界付近が,正しいルートである.よって時々,やぶの背丈が低い場所から顔を出し,杉林との境界を確認すればよい.やぶ漕ぎと度重なる進路修正で,疲れはレッドゾーン.散々な目に遭いながらも,何とか無事,登山口に到着(12:35).奇しくも登りと下りの時間が,ピッタリ一致した.これはひとえに下山にも相当なアルバイトを要したことを物語るものである.
【最高地点より1時間5分】

 <道を間違えたポイント>

 
 昨年の黒滝山(VOL10参照)に引き続き,またしても未踏峰となった今回の登山.いずれも徳島県の辺鄙な場所(ほとんど県境)にあるので,登山口に来るだけでも一苦労.だからこそ同じ過ちを二度と繰り返さないよう,更なる念入りな情報収集が重要と反省.それと共に登頂作戦も立て直す必要がある.今思い起こせば『あの時,もうちょっと頑張って先へ行っておれば,山頂に辿り着けたかも・・・』『いや,それとも東方向へ行っとけばよかったかな・・』などと今なお,しつこくも未練を残す「気になる山」である.
 
(1,000m峰 完全登頂まであと 11 座)

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