四国の山
《 その5 》

【 赤石山系 西山→綱繰山縦走 】
 
2011年5月20日 金曜日 天候:晴
所在地:愛媛県新居浜市
走行距離(自宅→登山口):169km(新居浜→大永山トンネル経由)
(総文字数 約3,400文字)
 
実施行程表
 
▼日浦登山口(8:30) …本日は金曜日であるが駐車場は満杯.車は付近の道路脇に駐車.

 <路肩に駐車> 
   ↓1時間30分
▼銅山越(10:00) …多くの登山者で賑わいをみせる.みんな西赤石山のアケボノツツジが目当てか?

 <西赤石山北斜面遠望> 
   ↓10分
▼銅山峰(10:10〜10:20) …標高1,294m.山頂は以前(2009.09.16)とは異なる別の場所に移っている.山頂付近で小休止.

 <銅山峰付近の登山道> 
   ↓30分
▼西山(10:50〜11:10) …標高1,428.7m.綱繰山が目前に望める崖上で昼食.日陰がなく暑いので早々に済ます.

 <西山山頂> 
   ↓30分
▼綱繰山(11:40)…標高1,466m.西山と同様,山頂は登山道の一部にある.山頂周辺,特に西斜面はアケボノツツジの大群落.

 <綱繰山山頂> 
   ↓55分
▼土山越(12:35)…真っ直ぐ進めば笹ヶ峰方面へ至る.
   ↓35分
▼大永山トンネル(13:10〜13:15) …トンネル間際から通じる林道へ降りる.トンネルまでの距離は十数メートルぐらい?

 <下山口(土山越登山口)> 
   ↓20分
▼住友フォレスターハウス駐車場(13:35) …駐車場まで県道歩き.デポしておいた自転車でマイカー回収に日浦登山口へ.
 

 

 
歩行 4時間30分(フォレスターハウス駐車場まで)
休憩 35分(昼食含む)             計 5時間5分
 



 
 今回も昨年の平家平〜冠山縦走時と同じく,松山自動車道新居浜ICで降り県道47号を経由して新居浜市別子山日浦へと向かう.大永山トンネルを抜けてすぐのところにある住友の森フォレスターハウスの駐車場に寄り,ここで折りたたみ自転車をデポする.今回の登山口は日浦であるが,下山口は大永山トンネル付近となる.登山口と下山口は5.4km離れているので何らかの移動手段が必要となる.そこで自転車を利用することにした.駐車場に自転車を停めるのは,盗難などに対してより安全と考えたからだ.立木にコイルワイヤー錠を回して自転車をがっちりロック.
 
 平日なのに日浦登山口の駐車場(標高約850m)はすでに満杯となっており,あふれた車が道路脇に停められている.駐車場よりトンネル方面へ向かう道路が広くなっているので,こちらの山側にマイカーを駐車.登山準備をしているうちに,いつの間にか空いていた道路際も満車となった.みんな西赤石山が目当てなのか?8:30 登山開始.予定時刻より約1時間遅れである.その理由は徳島自動車道が工事中とかで通行止.そのため徳島土成〜三島川之江間迄の距離を,一般道路走行さされるはめに.全く迷惑な話だ.なお,今回も昨年の平家平登山同様,友人のK君が同行.
 
 この登山ルートは別子銅山の遺跡群があることで有名だが,2009年9月の西赤石山→東赤石山縦走時に見学したことがあるので,立ち止まらず通り過ぎる.K君は今回が初めてであるが,遺跡には全く興味を示さない.そんなこともあって銅山越には10:00 に到着.前回は2時間たっぷりかかったのに・・・【登山口より1時間30分】

 <荷車の轍跡がついた登山道>


 <銅山越直近の道標>

 
 銅山越は多くの登山者で賑わっていた.反対側の東平(とうなる)からも続々と登ってくる.何故こんなに人が多いのか?その理由は西赤石山方面を眺めてやっと分かった.山頂付近の斜面は見事にピンク色に染まっている.アケボノツツジやミツバツツジが満開で今が見頃なのだろう.今年の春は平均的に気温が低かったせいもあって,開花が遅れたに違いない.
 
 ところで銅山峰(標高1,294m)の山頂が移動している.前回のときは銅山越から見上げた斜面の際にあった.新しい山頂はすぐ近くにあるが,別子山方面を見渡せる見晴らしの良いピークに移っていた.山頂を示す銅プレートは石積み(ケルン)にしっかり支えられている.こっちが本来の山頂だったのかも知れない.【登山口より1時間40分】

 <銅山峰から西山展望>

 
 約10分の小休止の後,目の前にそびえる西山を目指す.ほとんどの登山者は西赤石山方面へ向かうのか,西山へ登る登山者はごく僅かとなる.斜面すそ野の開けたジグザグの道を黙々と登る.上に登るにつれ低い灌木のなかの登山道となり,いきなり山頂を示す木の標識と対面(10:50).『エッ!ここが頂上?』と思わず呆気にとられる.登山道の一部にあると言った感じの山頂(標高1,428.7m)で灌木に囲まれ展望は全くきかず,ふたりが座り込んで休憩するスペースすら取れそうもない.なお,三等三角点はその奥の茂みの中にあった.【登山口より2時間30分,銅山越より50分(休憩含む)】

 <取り付きは緩斜面の登山道>


 <登山道より銅山越・西赤石山展望>

 
 山頂より縦走路を少し南へ行くと,綱繰山が正面に見られる崖上に出る.狭くて日陰がないのが難点だが,展望はすこぶる良好.右手にちち山・笹ヶ峰,さらにその先に石鎚山方面が遠望出来るが,残念ながら本日はモヤがかかっているので霞んでいる.ここより以降,快適に休憩出来そうな場所は無さそうなので,少し早いが昼食にする.弁当をひろげながら改めて綱繰山を望むと,西側の急斜面はアケボノツツジの大群生地でそれは見事!来週になれば花の盛りを過ぎてしまうだろう.丁度いい時期に訪れたものだと満足しながら食べる.しかし,日差しがきつく暑くてどうにも我慢ならん.休憩もそこそこに約20分の後(11:10),早々に出発することにした.

 <崖上から綱繰山展望>


 <ちち山方面遠望(右)>

 
 ここより急坂を一気に下ると西山と綱繰山のコルに至る.銅山越から延びる“牛車道”の合流点でもあり,道標が立っている.綱繰山へは文字通り“綱を繰る”ように登り返さなければならない.今回の縦走路で最もきつい箇所でもある.苦しいのを辛抱しながら樹林のなかの急斜面を登りきり尾根に乗れば,アケボノツツジが待っている.登山道脇に咲く花を観賞しデジカメに収めながら歩けば,間もなく綱繰山(11:40).この山頂(標高1,466m)も西山同様,登山道の途中にポツンとある.山頂付近に生える灌木は背丈より低く,ほぼ360度の展望がきく.【登山口より3時間10分,西山より50分(休憩含む)】

 <コルに建つ道標>


 <綱繰山山頂を望む>


 <ちち山別れ・ちち山・笹ヶ峰方面遠望>

 
 山頂ではK君とお互いに記念写真を撮り合いした後,休憩無しで出発.山頂を下れば樹林帯に入る.所々に咲くツツジを見つけ,立ち止まってパチリ.山頂より15分,二つ目の道標で登山道は南方向から西方向へいきなり進路を変える.やや不安になるが,しばらく進むと南方向へと向きを戻す.単調な杉の樹林帯が続き,黙々とただひたすら歩くのみ.やがて登山道が二股に分かれている分岐点に到着(12:35).真っ直ぐ続く道は笹ヶ峰方面に間違いないが,緩い傾斜で下る道は我々の目的とする下山道であろうか?指導標がないのでどうにも分からない.足元をよく見れば,朽ちた小さな標識が落ちて転がっている.それには“笹ヶ峰−銅山越”と記されているだけ.『あっ,そうだ!GPSを持っていたっけ』早速GPSを起動し我々の現在位置を確認すれば,どうやら大永山トンネルの上にいるようだ.とすればここが土山越となるので,下へ向かう道を辿ればよい.【登山口より4時間5分(休憩含む),綱繰山より55分】
 
 後は杉林の中につけられた道を,大永山トンネル目指して下るのみ.杉の木立から林道が見えれば,そこが下山口(13:10).林道に降り『トンネルはどこだ?』と探す間もなく,すぐその先に見えているではないか!折角なのでトンネル前でもお互いに記念写真を撮り合いした.【登山口より4時間40分(休憩含む),土山越より35分】

 <大永山トンネル>

 
しかし,ここがゴール地点ではない.直ちに住友フォレスターハウス駐車場へ向かわねばならない.駐車場まで1.4km,道路を歩くこと約20分を要する.ここでK君に荷物を預け待機してもらう.ひと休みの後,駐車場にデポしておいた自転車にまたがり,ペダルをこぐ.日浦駐車場まで約4.0km.ほとんど下り坂であるが,一部上り坂もあるのには閉口した.マイカーを回収し再びフォレスターハウス駐車場まで戻るのに,往復30分余りかかった.それでも現在2時過ぎ.今夜の宿である筏津山荘へ行くには早すぎるので,フォレスターハウスを見学して時間をつぶすことにした.
 

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