四国の山
《 その7 》

【 石鎚山系 ちち山登山 】
 
2012年5月25日 金曜日 天候:雨後曇り
所在地:愛媛県新居浜市〜高知県いの町
走行距離(自宅→登山口):162km(新居浜→大永山トンネル経由)
(総文字数 約3,400文字)
 
実施行程表(※明記の標高は誤差があります)
 
▼大永山トンネル登山口(8:50) …標高約960m.小雨降る中,登山開始.登山口はトンネル脇にある.
   ↓40分
▼土山越(9:30) …標高約1,170m.杉木立の中は,多少の雨はしのげる.
   ↓20分
▼馬道の別れ(9:50) …標高約1,250m.当時,この道は馬が通っていたのか?

 <馬道の別れ>
   ↓40分
▼獅子舞の鼻(10:30〜10:40) …標高1,481m.近くに獅子舞大権現がある.

 <獅子舞の鼻>
   ↓1時間5分
▼ちち山別れ(11:45)…標高約1,720m.ここは笹ヶ峰,平家平,銅山峰へ至る三叉路.
   ↓50分
▼ちち山(12:35〜13:00)…標高1,855m.ふたつの頂上がある双耳峰.遠くから望めば“ちち”に見えるのか?

 <ちち山山頂>
   ↓35分
▼再びちち山別れ(13:35)…平家平方面へ足を踏み入れる.

 <ちち山別れ>
   ↓15分
▼高知側登山道分岐(13:50)…標高約1,610m.高知側の登山道は良く整備されている.
   ↓20分
▼一ノ谷越(14::10)…標高約1,570m.ここからフォレスターハウス方面へ下って往く.
   ↓20分
▼銅山側源流(14:30)…標高約1,470m.源流の碑がある.
   ↓30分
▼なすび屋敷跡(15:00) …標高約1,330m.今は苔むした石垣が残るのみ.
   ↓40分
▼林道終点広場(15:40) …標高約1,120m.これより駐車場まで長い林道歩き.
   ↓50分
▼県道47号に出る(16:30) …標高約950m.駐車場所まであと一歩.
   ↓5分
▼大永山トンネル登山口(16:35) …無事,駐車場到着.足が痛い.
 

 

 
歩行 6時間40分
休憩 35分(昼食含む)             計 7時間15分
 



 
 本日の天気はあいにくの雨.雨が降ることは数日前から判明していたが,この時既にホテルを予約していた.キャンセルすればキャンセル料が発生するので,仕方なくやってきた次第.「何故,ホテルを予約したかって?」その訳は次の通り.
 昨年までは筏津山荘を利用していたが,4月より休業となっていた.そこでインターネットで別子山にある宿泊施設を検索すると,“余暇センター”と“オーベルジュゆらぎ”がヒットした.どちらも新居浜市が運営する公共の宿だ.ところが余暇センターは,意外なことに金曜日が定休日となっている.全く商売する気がないようだ.残るはオーベルジュゆらぎのみ.森林公園ゆらぎの森の中にある洒落たホテルで,夕食はワインとフランス料理である.よって当然,朝食はパン食となる.きっぱりと言っておくが,ライスは無い.登山には似つかわしくない宿であるが,他に無いのでここに決めたということ.
 
 大永山トンネル登山口には7時30分頃到着.今回も昨年同様,友人のK君が同行している.早いもので,彼とはもう3年連続の愛媛の山となる.さて,雨が結構ひどく降っているので,しばらく雨あしの様子を見ることにした.もしこのまま雨が降り続くようなら,登山はあきらめて観光をしようと話がまとまった.この辺りには別子銅山の遺産・遺跡が数多く残っている.なかでも東洋のマチュピチュと称されている東平(とうなる)ゾーンは面白そうだなぁ,などととりとめもない会話をしていたら,小降りになってきた.これなら登山は出来そうと判断を下し,早速準備に取り掛かる.

 <大永山トンネル駐車場>

 
 8時50分トンネル前駐車場を出発.登山口はトンネル脇林道の十数m先にある.この登山道は,昨年の西山→綱繰山縦走の下山時に通ったばかりだ.杉林の中はほとんど雨粒は落ちてこない.暑くなったせいもあり,レインウェアの上着のみ脱ぐ.40分で土山越に着く.丁度,トンネル中央部の真上辺りだ.右は西山方面,左は笹ヶ峰方面.よって左の道を辿る.
【登山口より40分】
 
 5分も歩かないうちに,トンネル脇から延びる林道を横断する.さらに数分でガレ場を通過.馬道の別れ,舟窪を過ぎた辺りから広葉樹の森となり,霧も掛かって幻想的な雰囲気になる.『雨も趣があってそれなりにいいもんだ』と一瞬であるが思い直したりする.やがて獅子舞の庭を過ぎると,ブナの大木が現れる.尾根近くの大岩の下に獅子舞大権現が祀られている.尾根に飛び出すとそこが獅子舞の鼻(標高1,481m)である.ここで10分の休憩をとる.
【登山口より1時間40分,土山越より1時間】

 <ガレ場>


 <舟窪>


 <幻想的な森>


 <ブナの大木>


 <獅子舞大権現>

 
 獅子舞の鼻より以降,植生が灌木に変わる.小雨が降り続くなかを,二人とも無言で進む.やがて辺り一面,クマザサに被われ視界が開ける.その分風も強くなり,雨も強くなったみたいだ.慌ててレインウェアの上着を着込む.この辺りから登山靴の中に,少しずつ水が進入し始めた.『スパッツを持ってくれば良かったのに』と後悔しても遅い.広い尾根を登り切れば,やっとちち山別れだ(11:45).ここは笹ヶ峰,平家平それから銅山越方面への三叉路である.
【登山口より2時間5分,獅子舞の鼻より1時間5分】

 <獅子舞の鼻を通り過ぎた辺り>


 <クマザサの尾根道>


 <ちち山別れ>

 
 ここからちち山へは笹ヶ峰方面へ向かう.尾根の裾野に沿って水平道を歩くこと30分,ちち山山頂への標識発見.水平道から離れ,いきなりの急坂を登ることになる.雨で滑る道を悪戦苦闘しながら登ること20分,ちち山山頂到着(12:35).標高1,855mは四国では高い山である.山頂の向かいに同じぐらいの高さの岩山が聳えている.この山はいわゆる双耳峰なのか?遠くから見る角度によって“ちち”に見えるのかも知れない,と勝手に解釈し勝手に納得.すぐ隣の西側にあるはずの笹ヶ峰は,ガスに遮られ全く見えない.頂上の岩の上には,ステンレス製の祠が鎮座している.この岩の上に座り,靴にたまった水を排出,ついでに靴下も脱いで水気を絞り取る.靴を履き直してから,コンビニで買ったおにぎりを雨に濡れながら食べる.2個目を食べようとした時,急激に寒さを覚えた.特に手足の先が凍ったように冷たく感じ始めた.『こりゃ,いかん!』残りのおにぎりは食べずに,即刻下りることにした.気温は5度以下か?風が吹き付けるので,氷点下のように冷たく感じる
【登山口より3時間45分,ちち山別れより50分】

 <裾野に沿って往く>


 <ちち山山頂への標識>


 <急斜面を登る>


 <雨に煙る山頂>

 
 山頂出発は13時丁度.下りるに従って,手足のしびれは徐々に薄れてきた.水平道を往く頃にはすっかり直っていた.ちち山別れには13:35に到着.今朝登って来た道を戻らず,一ノ谷越経由でフォレスターハウス方面へ下りるコースを選ぶ.そんな訳で平家平方面への道を辿る.霧に被われた尾根筋に登山道は続く.天気が良ければ,最高の素晴らしい眺めの尾根道であろう.進むにつれ雨も小降りとなり,若干霧も晴れてきたようだ.途中,高知側からの登山道が合流する箇所を通過する.高知側の登山道は整備が行き届いている.誤って足を踏み入れそうなくらいだ.尾根道はなおも続くが,少しばかり尾根が細くなったようだ.高度を下げるにつれ,再び霧も濃くなる.高知道分岐より15分で一ノ谷到着.
【山頂より1時間10分,ちち山別れより35分】

 <尾根@>


 <高知道分岐標識>


 <尾根A>


 <一ノ谷越>

 
 これより以降は2年前の平家平登山時に,下山道として利用したお馴染みの道となる.フォレスターハウスまで,かなり時間が掛かった記憶がある.今回はフォレスターハウス分岐よりさらに先まで,林道歩きをしなければならない.現在14:10.先を急ぐことにする.銅山川源流の碑14:30通過,なすび屋敷15:00通過,林道終点の広場には15;40着.ここから嫌な林道歩きが始まる.いつの間にか雨はやんでいたが,レインウェアは着たまま歩く.フォレスターハウス分岐16:10通過.もはや喋る気力もない.足も痛くなってきた.二人とも文字通り,黙々と歩く.16:30県道に出た.県道を歩いて5分でトンネル前の駐車場に辿り着く(16:35).
【山頂より3時間35分,一ノ谷より2時間25分】

 <源流の碑>


 <なすび屋敷跡>


 <林道終点広場>


 <フォレスターハウス分岐>

 
 急いでレインウェアと登山靴を脱ぎ,ケータイを取り出す.ホテルに到着が遅れるとの連絡を入れるためだ.この時,五千円也のコース料理も予約する.それにしても登山に来てフランス料理を食べるのは,生まれて初めての経験だ.途中,道を間違えながらもホテル(オーベルジュゆらぎ)まで約30分のドライブであった.
 

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