新・徳島の山
VOL.3

【 日ノ丸山 標高 1,240.2m 】
2008年6月1日(日曜日) 天候:晴
所在地:徳島県三好市(井川町・西祖谷山村)〜東みよし町(三加茂)
走行距離(自宅→登山口):109km
(総文字数 約2,500文字)
 
 去る5月28日,気象庁は四国地方が梅雨入りしたとみられると発表した.昨年より何と16日も早いそうだ.大いに予定が狂ってしまった.何故なら9月下旬頃まで,山行は一時休止しなければならない.梅雨時は当然のことながら,特に夏期にかけて1,500m前後の山など,暑くてとても登れるものでない.それにしても5月だけで台風が4コも発生している.やはり地球温暖化の影響であろうか?
 
 インターネット天気予報によると,この日曜日が晴天のようだ.雨天後の登山道は,ぬかるんでいるのでイヤなものだが,そんなことは言ってられない.という訳で日曜日に決行することに決めたのが前日の土曜日.今回も単独行となる.
 
 自宅を出発したのは,早朝4時20分.ターゲットは日ノ丸山.同じ山名の山は,鳴門市の大麻山の近くにもある.今回目的とする山は県西部に位置するので,高速道路を利用する.今後もよく利用することになるので,遅まきながらETCを購入しておいた.助成金制度を活用したので,1,500円/台(セットアップ料込み)で2台購入.勿論,ネット通販で.もし,新規にクレジットカードから申し込めば,無料という制度もあるようだ.
 
 徳島ICから徳島自動道へ乗り,一路,井川池田ICを目指す.この時間,走行する車はほとんど無く,快調に飛ばせる.井川池田ICから国道192号線を辻まで戻り,ここから井川スキー場腕山方面へ向かう.入り口付近は道路状況は整備されているものの,まもなく林道のような細い道となる.スキー場があるので,もう少し道路整備は行き届いていると期待していたが,見事に“外れ”.
 
 スキー場への分岐を見送り直進.水ノ口峠(標高1,020m)を左折,林道“日の丸線”へ乗り入れる.ガイドブック(※)によれば,分岐より2.7km進むと右カーブする地点に立つカーブミラー付近が登山口とある.目印としてカーブミラーのポールに赤テープが二重に巻いてあるらしい.トリップメーターを見ながら慎重にカーブミラーをチェックしながら走行.
【 (※)「コースガイド・徳島145山」 著者 鳴門岳友会(平成16年発刊) 】

 <林道“日の丸線”入口>

 
 ところが3kmを過ぎても赤テープが見当たらない.通り過ぎたのか?まだ先なのか?車を降り,歩いて捜すことに.さらに先まで数百m歩くが,無い.やがて道路上全面が泥流に覆われた地点に到達.とても歩いて渡れないし,最近,車が通過したような跡がない.しかもだんだんと下り勾配になっている.もうこの先には無いと判断,足早に車まで戻る.ハンドルを何回か切りかえし,狭い道でUターン.今度は見落とさないよう,窓をフルオープンにしてゆっくり走行.するとあった!二重巻きの赤テープは経年劣化で色あせている.これでは見落とすはずだ.しかも思ったより下の方に巻き付けてある.

 <目印のカーブミラー.「注意」の下に二重の“赤"テープ>

 
 無事に登山口(標高約1,050m)を見付けられてホッと一息.マイナーな山は登山口を見付けるのが,このように一苦労する.登山口さえ見付けられれば半分登ったようなもの,と言っても過言ではない.取付点は20mほど先にあるのを確認.これも全く目立たない.ともあれ,6:45 登山開始.微かな作業道らしき踏み跡をたどる.10分ほどで赤テープが巻いてある3本杉の地点(標高約1,150m)に到着.ここで水平の作業道と別れ,直登に取り掛かる.赤テープを頼りに,灌木の枝に掴まりながらよじ登る.苦しいのも束の間,およそ20分の辛抱の後,山頂(標高1,240.2m)の裏側へひょっこり飛び出した.【登山口より30分】

 <登山取付点>


 <"にぎやか"な山頂>

 
 山頂に表と裏があるかどうか分からないが,標識が向いている方が“表”と思われる.山頂は自然林に囲まれ,展望は今ひとつ.真南に位置する烏帽子山が遠くに眺められる程度.10分で水分補給と写真を撮り終え,7:25 城ノ丸山(じょうのまるやま,標高1,169m)縦走へ向け出発.この山は残念ながら「阿波の1,000m峰」には含まれていない.緩い下り勾配気味の尾根道を,軽快に飛ばす.苔むした大岩を通過すれば,最低鞍部(標高約1,100m)に至る.ここが日ノ丸峠であろうか?【日の丸山頂より25分】

 <城ノ丸山への縦走路>


 <苔むした大岩>

 
 城ノ丸山へはさらに真っ直ぐ進み,10分の急登.山頂AM 8:00到着.一帯は杉に覆われこんもりしている.よく手入れされたお堂があり,その裏手に鳴門岳友会の山頂標識がある.お堂前の石造りの急階段を下りて,周囲を散策.山頂 8:10 出発.先程の最低鞍部まで5分.

 <城ノ丸山頂のお堂>


 <お堂前の石段>

 
 ここは十字路になっている.「日の丸山900m」の標識も立っている.向かって左の道を辿れば東の登山口へ至る.東の登山口とは,県道三加茂〜東祖谷山線桟敷峠手前で分岐する林道を伝う.こちらの登山道を利用しても日の丸山へ登れるが,上り1時間30分を要す.一方,右の道はどうやら作業道の様であるが,何処へ通じているのか?入口付近はよく整備されているので,つい足を踏み入れたい気分になる.

 <十字路に立つ標識>

 
 当初,帰りは再び日の丸山への登路を引き返すコースを予定していた.しかし,上り勾配気味の尾根を登り返すのはしんどい.『この右の道はきっと登る時に通った水平道に繋がっているはず!』と都合良く決めつけた.たとえ間違っていたとしても,この下には林道日の丸線が通っている.その点,安心ではある.
 
 そこで楽をするため,右のコースをとる.予想通り,歩きやすい道だ.この付近は,林業関係者が山の手入れをこまめにやっているようだ.しかし,後半を過ぎるころからだんだんと下草が生え,踏み跡も怪しくなり,崩れかけた箇所も出現.かまわずどんどん進む.やがて,倒壊寸前の作業小屋脇を通過.山中にある廃屋とか壊れかけの小屋は,どうも気色悪い.足早に通り過ぎれば,ヤレヤレ,予想通り,登りの時に通過したあの三本杉に到着した.【十字路より20分】

 <水平の作業道>


 <三本杉(三本の杉に赤テープ)>

 
 後はここより下るだけでよし.途中道を外すも,約10分で駐車場所へ.AM8:45着.【城ノ丸山より45分】
 
 早速,折りたたみバケツにポリタンクの水を入れ,顔を洗い汗をぬぐう.いつものように着替えを済まし帰路につく.途中,井川スキー場が遠望出来る地点で車を止め,束の間の休憩を取った.

 <井川スキー場遠望>

(1,000m峰 完全登頂まであと 21 座)

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