新・徳島の山
VOL.5
【 しがきの丸 標高 1,163.1m 】
2008年11月5日(水曜日) 天候:晴
所在地:徳島県那賀町(木沢)
走行距離(自宅→登山口):56km
(総文字数 約2,000文字)
当初,美馬市穴吹町の半平山(標高1,015.9m)を予定していた.ところがなんと当日,徳島自動車道改修に伴う工事で終日全面通行止の予告!一般道を走ってもいいが,トラックが多いかも知れないのでパス.そこで急遽予定変更とし,那賀町木沢村の「しがきの丸」に決定した.いずれの山も徳島市内から比較的近い場所に位置する.
名西郡神山町から徳島の山間部を縦断する国道193号線に乗り,一路標高1,000mの土須峠雲草トンネルを目指す.トンネルを抜け那賀町木沢に入り,沢谷の手前で村道沢谷小畠線への分岐をとる.村道終点となる回転場(標高730m)に 6:50に到着.未舗装の林道がさらに奥へと続いている.ここが三ヶ所ある“しがきの丸登山口”のひとつであり,最も短時間で登ることが出来る.だがしかし,肝心の登山口標識が見当たらない.落ち着いてよくよく周辺を観察すると,右奥手から杉林に向かって微かな踏み跡が続いている.『これが登山道に間違いない!』と直感.
<斜面にへばりつく小畠集落遠望>
<終点の回転場.林道が奥へ続く.登山口は右手>
7:00 登山開始.直ぐに給水用と思われる受水タンクに行き当たる.「ゴボッ,ゴボッ」という気色の悪い音を発している.多分,水と一緒に空気も吸い込んでいるのだろうか?石垣を乗り越え進むが,進路がイマイチはっきりしない.兎に角,しっかりした踏む跡を選び,それを辿ることにする.しばらく水平道を歩くと大岩に行き当たる.ロープが張られている.やはりこの道は登山道か?安心してどんどん前進すると,いきなり崩壊した斜面に出た.崩壊地は改修されているが,登山道はここで途切れている.【登山口より20分】
<杉木立にある受水タンク>
<急斜面の大岩付近無事通過>
仕方なくここから尾根に向かって杉林の中を直登することした.15分ほど険しい斜面を登ると,広葉樹の混じった杉林に入る.足元は小石混じりの急斜面.一歩進むたびに半歩下がると言った具合.歩きにくいことこの上なし.時折,杉の幹に赤とか緑のテープが巻かれているが,果たしてこれを信じていいのか?不安になりながらも必死で登る.11月とは言え,玉汗が噴き出てくる.
<杉の幹に巻かれた赤テープ>
突然,左急斜面で「ドォドォ〜,ザザァ〜」という物音がした.20〜30m先で黒っぽい動物が急斜面をもの凄い勢いで下っている.あれはイノシシか?まさに「アッ!」という間の出来事だった.最近の登山では鹿をよく見掛けたが,イノシシは初めて.今後,ツキノワグマにも遭遇するかも知れない.今後,何らかの対策が必要だ,と痛感.そんなことを考えながら登っていると,空が開け 8:05 やっとこさ尾根(標高1,060m)に着いた.下山時の目印として“赤い付箋”を小枝に貼り付けた.“赤い付箋”は数年前から持参している.分岐点とか要所に貼り付け,下山時の目印としてたまに使っている.今まで役立ったことはないが,安心・安全のため,常に忘れないよう携帯している.【登山口より1時間5分】
<尾根取付点の自然林>
後はこの尾根を忠実に辿れば頂上に着くはず.目印の赤テープがまばらにあるので心強い.山頂に近づくと笹が目立つが,比較的薄いので歩行の邪魔にはならない.尾根より20分で頂上(標高1,163.1m)到着.【登山口より1時間25分】
山頂はなだらかな斜面となり明るく開けている.灌木が周囲に生えているので,残念ながら眺望はない.いつものように周辺の風景をデジカメに収め,ひとときの休憩を取る.約15分の後,8:40下山開始.
<しがきの丸山頂>
<山頂直下の下山道>
尾根を引き返し,登頂時に“付箋”を付けたあの尾根取付点まで戻って来た.忠実にそのまま元来たルートを下ろうと思ったが,フッとひらめいた.『こんな急斜面を下るのはもう御免.それより真っ直ぐ尾根を下った方が,はるかに楽ではないか?』そこでしばらく尾根筋を下ってみることにした.すると間もなく赤テープ発見!大いに勇気づけられる.赤テープを見逃さないよう注意を払いながら,そのまま尾根を下る.予想通り歩きやすい.数分の後,二本の杉に赤テープが巻かれている地点(標高980m)に到達.【山頂より25分】
<尾根筋に付けられている“赤テープ”>
ここより尾根を外れ,薄暗い杉林に進入する.以降,赤テープの目印は無くなるが,下へ下へとひたすら踏み跡を辿る.斜面はさほどきつくない.やはりこのルートを選んで正解だったようだ.気が付けば,いつの間にか林道を歩いている.下草がびっしり生えていたので全く分からなかった.無論,登山時にこの林道は通っていない.下るほど林道は,はっきりとしてくるがかなり荒れている.カーブを曲がると開けた場所(標高760m)に出た.そこに小畠無線中継所がポツンとある.【尾根分岐より25分】
<林道に至る小道>
<林道と小畠無線中継所>
林道をゆっくり歩くこと10分.果たしてこの林道は,駐車地点の回転場に繋がっていた.あぁ〜,ヤレヤレ.今回は尾根分岐以降,全く別の下山ルートを歩いたことになる.【無線中継所より10分,山頂より1時間】
(1,000m峰 完全登頂まであと 19 座)
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